依頼を受けた当事務所所属弁護士が、その労働組合がどのような労働組合かをご説明したうえ、今後の進み方についてご説明した。.....
1.医療法人を取り巻く環境
医療法人を経営する皆様へ
現在の日本社会は人々の権利意識が高揚してきており、以前においては問題にならなかった小さなミスについてもクレームに発展するケースが見受けられ、医師や病院の経営者は患者様からのクレームに対応することを余儀なくされています。
また、町の診療所においては院長である医師の高齢化が進んでおり、次世代への事業承継を検討しなければならない医療法人が数多く存在します。
当事務所は、中小企業法務で培った経験を活かして、医療法人に特化した顧問サービスを提供しております。
2.事業承継
(1)親族に対する事業承継
院長が死亡した場合、院長の医療法人の出資持分(出資持分ありの場合)やその他の院長名義の財産は遺産分割の対象となりますが、仮に相続人の中に非協力的な者がいた場合は相続人間の遺産分割協議が長引き、病院の経営に支障が生じることもあります。
このような事態を避けるためには、院長は病院を承継する親族(一般的には医師免許を有する子)に対して生前に医療法人の贈与を行ったり、遺言書を作成しておく必要があります。
(2)第三者に対する事業承継
第三者に事業継承をする場合、売却という方法をとることになりますが、ポイントは双方が納得する売買金額の設定です。現時点での資産や負債の評価額をベースに、医院の集客力、立地条件などを勘案しその金額を決定しますが、非常に困難です。
当事務所では、事業承継をめぐる様々な交渉のみならず、提携税理士とともに、合理的な設定価格の算出を含めたワンストップのサービスを提供しております。
3.医療過誤
医療過誤とは、誤診や誤った治療、誤った薬剤の投与など医療上の過失によって患者に傷害・死亡などの損害を与えることをいいます。医療過誤が認められると、病院側は「民事」「刑事」「行政」上での責任を問われる可能性があります。
(1)民事上の責任
一般的に医療過誤を起こした医者・看護師本人は不法行為責任(民法709条)を問われることが多いですが、病院は患者様との診療契約に基づく債務不履行責任(民法415条)を問われる可能性があります。なお、病院は直接の過失の主体でなくても使用者責任(民法715条1項本文)という形で不法行為責任を問われることもあります。
(2)刑事上、行政上の責任
医療過誤が認められる中でも特に悪質と判断された場合には、業務上過失致死傷罪(刑法211条)として起訴される可能性があります。
また、行政上の責任としては、医療過誤によって刑事上の責任を問われ、罰金以上の刑に処せられた場合、医道審議会にかけられた上で、戒告、医業停止、免許取消等の処分を受ける可能性があります。
(3)法律相談のすすめ
このように、医療過誤が起きた場合には、患者側から損害賠償を請求されたり、あるいは、警察や検察による捜査が開始されたりなど、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。専門性の高い分野でもあり、このような事態に適切に対処するためにも、弁護士に相談・依頼して対策を講じる方が安心です。
また、医療法人の経営には、患者側からのクレームがつきものです。
これら、日常的に生じるトラブルを未然に予防するという観点から、顧問契約を締結し、「かかりつけ弁護士」を見つけることを検討されてはいかがでしょうか。
4.医療法による広告規制
2018年6月1日から、医療機関のウェブサイト等について、法令による規制が始まり、違反に対して行政処分(中止・是正命令)や刑事罰が科される可能性が出てきました。
例えば、美容医療の施術を受けた患者様の体験談を紹介することも禁止されることになりました。そのため、これまでの広告を法的観点から見直す必要が出てきました。
また、ウェブサイトも広告と扱われることになりましたので、ホームページの内容が、医療広告規制に違反していないかどうか見直す必要があります。
医療に関する広告規制の対象者は、医師、歯科医師、病院等の医療機関だけではなく、ホームページ作成を請け負う制作会社もこの規制を受けることになりました。そのため、広告作成にかかわる方も、改正法の内容に注意を払う必要があるといえます。
当事務所では、美容医療を含む医療法人ホームページ等のリーガルチェックをしたうえで、集客力を落とさないためのアドバイスをさせて頂きます。
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