債権回収は弁護士に依頼すべき?相談するメリットや弁護士費用を解説

債権回収

債権回収でお悩みの経営者様へ

債権回収は、個人間のお金の貸し借りから企業間の取引まで、様々な場面で発生する問題です。しかし、相手が支払いを拒否したり、連絡が取れなくなったりすると、回収は困難を極めます。自分一人で解決しようとすると、時間や労力がかかり、精神的な負担も大きくなってしまいます。そこで、この記事では債権回収を弁護士に依頼するメリット・デメリット、弁護士の選び方などを詳しく解説します。この記事を読むことで、債権回収の流れを理解し、弁護士に依頼すべきかどうかを判断できるようになります。スムーズな債権回収を実現するために、ぜひ最後までお読みください

 

1 債権回収とは何か

債権回収とは、金銭の貸し借りや売買などによって発生した債権を、債務者から回収する行為を指します。正当な権利に基づいて金銭の支払いを求める行為であり、売掛金、貸付金、未払い賃金、損害賠償金など、様々なものが対象となります。債権は、契約や法律に基づいて発生する権利であり、債務者には債権者に対して支払い義務が生じます。債権回収は、企業活動においても、個人の生活においても重要な要素です。

 

2 債権回収の難しさ

債権回収は、必ずしもスムーズに進むとは限りません。債務者が支払いを拒否したり、連絡が取れなくなったりする場合もあります。また、債務者が倒産した場合には、債権回収が困難になる可能性が高くなります。このような状況では、専門家である弁護士に依頼することで、より効果的な債権回収が可能になります。

債権回収の難しさは、以下のような要因によって生じます。また、これらの要因に加え、債権回収には法的な知識が必要となる場合も多く、個人で対応するには負担が大きいケースも少なくありません。そのため、弁護士に相談することで、状況に応じた適切な対応を取ることができます。

① 債務者の経済状況の悪化

債務者が失業した場合や事業が失敗した場合、債権を回収することが難しくなります。

② 債務者の故意の支払い拒否

債務者に支払能力があるにもかかわらず、故意に支払いを拒否する場合があります。

③ 債務者の行方不明

債務者が引っ越しをしてしまい、連絡が取れなくなる場合もあります。

④証拠の不足

債権の存在を証明する証拠が不足している場合、債権回収が困難になる可能性があります。契約書や領収書などを適切に保管しておくことが重要です。

⑤時効の完成

債権には時効があり、時効が完成すると債権回収が不可能になります。時効期間は債権の種類によって異なります。

 

3 債権回収を弁護士に依頼するメリット

債権回収を弁護士に依頼するメリットは多岐に渡ります。専門家ならではの知識と経験を活かすことで、債権回収の可能性を高め、時間や労力、精神的な負担を軽減することができます。具体的には下記の通りです。

⑴ 交渉を有利に進められる

弁護士は法律の専門家として、債権回収に関する豊富な知識と経験を有しています。相手方に法的な根拠に基づいた主張を行うことで、支払いを促す効果が期待できます。また、相手方が弁護士からの内容証明郵便による連絡を受けることで、事の重大さを認識し、支払いに応じる可能性が高まります。さらに、感情的になりがちな債権回収において、弁護士が間に入ることで、冷静かつ客観的な交渉を進めることができます。これにより、当事者間でのトラブルの発生を防ぎ、円滑な解決へと導くことが期待できます。

⑵ 法的措置をスムーズに取れる

弁護士は、裁判所への書類提出や手続などを代理で行うことができます。そのため、債権回収のための法的措置をスムーズに進めることができます。具体的には、以下の法的措置を検討できます。

① 民事訴訟

民事訴訟は、地方裁判所や簡易裁判所で行う訴訟手続です。複雑な事案でも対応可能ですが、時間と費用がかかる場合があります。そして、民事訴訟においては書面作成の一つをとってみても独特の作法があったりしますので、弁護士に依頼することで手続をスムーズに進めることができます。

②支払督促

支払督促は、簡易裁判所に申し立てを行い、債務者に支払いを命じる督促状を送付する手続です。相手方が異議を申し立てなければ、強制執行に移行することができます。比較的迅速かつ低コストで手続を進めることができるため、少額の債権回収に適しています。

③少額訴訟

少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める訴訟手続です。1日で審理が終了するため、迅速な解決が期待できます。また、弁護士に依頼しなくても手続きを進めることが可能なため、費用を抑えることができます。

⑶ 時間と労力の節約になる

債権回収は、交渉、書類作成、裁判所への出廷など、多くの時間と労力を要する作業です。弁護士に依頼することで、これらの作業を代行してもらうことができ、本来の業務に集中することができます。債権回収にかかる精神的な負担も軽減されるため、ビジネスの継続的な発展にも繋がります。

⑷ 精神的な負担を軽減できる

債権回収は、相手方との交渉や法的措置など、精神的な負担を伴う作業です。特に、相手方が支払いを拒否したり、連絡が取れなくなったりした場合には、大きなストレスを感じることがあります。弁護士に依頼することで、これらの精神的な負担を軽減し、安心して債権回収を進めることができます。弁護士は、依頼者の代理人として、冷静かつ客観的に対応してくれるため、精神的な負担を最小限に抑えることができます。

 

4 債権回収を弁護士に依頼すべきケース

債権回収は状況によっては非常に複雑で困難になる場合があり、専門家のサポートが必要となるケースが多く存在します。以下に、弁護士への依頼を検討すべき代表的なケースをまとめました。

⑴ 相手が支払いを拒否している場合

単なる支払いの遅延ではなく、明確な意思表示として支払いを拒否されている場合は、弁護士に依頼することで、法的な手段を視野に入れた交渉が可能になります。弁護士からの通知は債務者への心理的な圧力となり、支払いに応じる可能性を高めます。

⑵ 連絡が取れない場合

電話、メール、手紙など、あらゆる手段を試しても債務者と連絡が取れない場合は、弁護士に依頼することで、所在調査などの手段を通じて債務者の所在を特定し、債権回収の手続きを進めることができます。相手が意図的に連絡を避けている場合でも、弁護士であれば、裁判所を通じての対応が可能になります。

⑶ 債務者が複数いる場合

債務者が複数いる場合、それぞれの債務者との個別交渉や、債務者間の責任割合の調整など、複雑な交渉が必要になります。弁護士に依頼することで、これらの手続を効率的に進めることができます。

⑷ 高額な債権の場合

高額な債権の場合、回収に失敗した場合の損失も大きいため、専門家である弁護士に依頼することで、より確実な債権回収を目指せます。また、訴訟などの法的手続が必要になった場合にも、弁護士のサポートは不可欠です。

⑸ 時効が迫っている場合

債権には時効があり、時効が成立すると債権回収が困難になります。時効が迫っている場合は、弁護士に相談し、時効を中断するための適切な措置を講じる必要があります。具体的には、内容証明郵便による請求や、訴訟提起などが考えられます。

⑹ 債権の種類に応じた対応が必要な場合

債権の種類によって、最適な回収方法は異なります。例えば、売掛金、貸付金、請負代金など、それぞれ適切な対応が必要です。弁護士であれば、債権の種類に応じた最適な戦略を立案し、実行してくれます。

① 売掛金

内容証明郵便による請求、支払督促、少額訴訟、民事訴訟など

②貸付金

内容証明郵便による請求、民事訴訟、担保権の実行など

③請負代金

民事訴訟、工事の差し止め、商事留置権など

 

5 債権回収の弁護士を選ぶポイント

債権回収を成功させるためには、適切な弁護士を選ぶことが重要です。依頼する弁護士によって、回収できる金額や期間、そして依頼者にかかる負担が大きく変わる可能性があります。以下のポイントを参考に、最適な弁護士を見つけましょう。

⑴ 実績と経験

弁護士の実績と経験は、債権回収を成功させるための重要な要素です。特に、類似の債権回収案件を多く手がけてきた弁護士は、過去の経験から得たノウハウや知識を活かして、より効果的な戦略を立てることができます。債権の種類(売掛金、貸金、請負代金など)や債務者の属性(法人、個人、事業者など)に特化した経験を持つ弁護士を選ぶと、よりスムーズな解決が期待できます。

⑵ 専門分野

弁護士には、それぞれ得意とする専門分野があります。債権回収に特化した弁護士や、倒産処理を得意とする弁護士など、債権回収に関連する専門分野を持つ弁護士を選ぶことが重要です。

⑶ コミュニケーション

弁護士との良好なコミュニケーションは、債権回収をスムーズに進める上で非常に重要です。弁護士が親身になって相談に乗ってくれるか、依頼者の状況や希望を丁寧に聞いてくれるかを確認しましょう。また、説明が分かりやすく、疑問点に明確に答えてくれるかどうかも重要なポイントです。初回相談時に、弁護士との相性を確認し、信頼できる弁護士を選びましょう。密なコミュニケーションを通して、不安や疑問を解消し、安心して手続を進めることができます。

⑷ 費用体系の明確さ

弁護士費用は、着手金、報酬金、実費など、様々な費用が発生します。弁護士によって費用体系は異なるため、事前に費用について明確な説明を受け、納得した上で契約を結ぶことが大切です。

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6 債権回収に関するよくある質問

⑴ 弁護士に依頼せずに債権回収することは可能か

はい、可能です。少額の債権で、相手との関係が悪化していない場合は、内容証明郵便を送付するなどして、自主的に交渉を試みることができます。また、簡易裁判所での少額訴訟手続を自身で行うことも可能です。しかし、法的知識が必要となる場面も多く、手続きが複雑になる可能性もあります。弁護士に依頼することで、専門的な知識と経験に基づいたサポートを受けられるため、回収の可能性が高まります。

⑵ 債権回収にかかる期間はどのくらいか

債権回収にかかる期間は、事案の複雑さや相手方の対応によって大きく異なります。交渉による解決であれば数週間から数ヶ月、訴訟手続になると数ヶ月から数年かかる場合もあります。また、強制執行手続にも時間を要します。早期解決を目指すためには、弁護士に相談し、適切な戦略を立てることが重要です。

⑶ 時効はいつ完成するか

債権には時効があり、時効が成立すると債権を請求する権利を失います。商取引による債権は5年、個人間における金銭貸借は10年で時効が成立します。ただし、時効の中断事由(裁判上の請求、支払督促、承認など)があると、時効が中断し、そこから再び時効期間がカウントされます。時効が成立する前に適切な措置を講じる必要があるため、早めの相談が重要です。

⑷ 保証人がいる場合の債権回収はどうなりますか?

債務者に保証人がいる場合、債務者が支払えないときは保証人に請求することができます。主債務者と保証人に対して、同時に請求することも、保証人のみに請求することも可能です。保証人にも資力がない場合は、最終的には債務者から回収する必要があります。

 

7 まとめ

債権回収は、時間と労力がかかる複雑なプロセスです。相手が支払いを拒否したり、連絡が取れない場合などは、さらに困難になります。このような状況では、弁護士に依頼することで、交渉を有利に進め、法的措置をスムーズに取ることができます。弁護士は専門知識と経験を活かし、債務者との交渉や裁判手続きなどを代行してくれます。これにより、依頼者は時間と労力を節約し、精神的な負担を軽減できます。

債権回収でお困りの際は、まずは当事務所の弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。早めの対応が、スムーズな債権回収につながります。

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