依頼を受けた当事務所所属弁護士が、その労働組合がどのような労働組合かをご説明したうえ、今後の進み方についてご説明した。.....
1.労災申請前の対応
⑴ 使用者は、業務災害が発生し、従業員が死亡した場合や負傷して休業した場合は、所轄の労基署に労働者死傷病報告書を提出する必要があります(労働安全衛生規則97条)。これは使用者の義務であり、この労働者死傷病報告書の不提出(いわゆる労災隠し)は法律の規定では50万円以下の罰金刑が科せられることになっています。因みに、提出する労働者死傷病報告書は厚生労働省のホームページでダウンロードできます。
⑵ 次に、労災の申請は、被災した労働者本人かその遺族が行うことになっていますが(労災保険法12条の8第2項)、申請時に際して労働保険番号や使用者の手元にある資料等が必要となることがあります。労働者や遺族から資料等の提供依頼があった場合には協力することが望ましいといえます。
次に、労働者や遺族から労災申請書に「事業者証明印」の押印を求められる場合がありますが、押印すると使用者として申請書の内容が正しいことを認めることになりますので、申請書の内容に異論がある場合は押印すべきではありません。特に、近時多く見受けられる精神疾患についての労災申請については、その業務起因性について使用者としても意見がある場合もあろうかと思いますので、そのような場合は安易に証明印の押印をすべきではないでしょう。
尚、事業主証明印がなくても労災申請は受理されますので、労働者や遺族から「事業者証明印」の押印が労災申請には必須であるので押印してほしいとの申し出があった場合は、事業主証明印がなくても労災申請が受理されることを丁寧に説明しましょう。
2.労災申請後の対応
労災申請後は、所轄労基署から各種証拠書類の提出指示がありますが、この指示は法令に基づくものでありますので、設定された提出期限までに提出することが求められます。
尚、労災の支給決定については、使用者は不服申立てをすることができませんので、業務起因性の有無等について使用者として意見がある場合には、労災手続中に意見を申し出ることをお勧めします(労災保険則23条の2)。労災保険ではカバーされない損害(慰謝料等)について、後日、民事訴訟が提起されることもあり、その場合、労災認定の結果によって勝敗が決せられてしまう側面があるため、使用者として主張すべきことは労災手続中にしておくことが大切になります。
当事務所は、労災申請への対応にも実績がありますので、従業員からの労災申請についてご不明点がございます場合は、お気軽にご相談ください。使用者側の労働相談については初回相談無料となっております。
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