依頼を受けた当事務所所属弁護士が、その労働組合がどのような労働組合かをご説明したうえ、今後の進み方についてご説明した。.....
1.概況
医療の仕事はやりがいの大きな仕事です。
もっとも、患者の健康や生命に深く関わるため、社会的責任が重く、また、高度な倫理や責任を求められ、法的リスクが特に高い仕事の一つと言えます。
また、クリニックや病院を経営する場合は、看護師などのスタッフの労務管理や医療法人の経営、さらには医療法に関する新しい知識の習得など、医療とは異なる分野の問題にも対応する必要があります。
当事務所は、医療機関の顧問先が多く、医療機関を取り巻く様々な紛争や法的問題を解決してきた実績があります。当事務所の弁護士は、医師の皆様が医療以外の煩わしい諸問題に時間や労力を割くことなく、安心して医療に専念できるような環境作りをサポートさせて頂きます。
2.医療業の特徴
1 患者とのトラブル
⑴ 患者からのクレーム対応(カスタマーハラスメント対応)
医療は患者の健康や生命に深く関わるため、医療過誤や診断ミスなどの事故が起こった場合、患者やその家族から訴訟を起こされる可能性があります。
また、最近ではカスタマーハラスメントという言葉もよく耳にするようになりましたが、権利意識の高揚が背景にあるのか、医療過誤や診断ミスとは評価できない事象についてまで、特定の患者から激しいクレームを申し入れられるケースも散見されます。
このような場合に、医師の皆様はそのような患者に対して誠意をもってどこまで対応するべきなのか、その判断に苦慮されることもあろうかと思います。
当事務所の弁護士は、法的リスクを十分に検討した上で、的確な判断基準をご説明させて頂き、医師の皆様が安心して当該患者に対応できるようにサポートさせて頂きます。また、クレームの態様程度が特に酷い事案につきましては、当事務所の弁護士が当該患者との交渉窓口になることによって、問題解決に導きます。
⑵ 誹謗中傷対策
最近では、インターネット上において誹謗中傷の口コミを書き込まれ、クリニックの評価に悪影響が及ぶことがあります。
このインターネット上の表現については、憲法の表現の自由との兼ね合いがありますので、不本意な口コミのすべてを削除するということは実際のところは困難なのですが、名誉毀損などに該当する悪質なケースでは削除ができる可能性があります。
2 スタッフの労務管理
医療機関は、どうしても長時間の業務が求められる傾向があるため、医師や看護師などの労働時間を法的規制に従いながら適正化に管理することが重要となります。令和6年4月以降は、医師の時間外・休日労働の上限規制が導入されています。
また、ストレスの多い職場でもあるので、スタッフの精神的健康の維持にも配慮することが求められます。
当職の経験からすると、スタッフの労働条件等について何らかの書面を作成している医療機関は非常に少ないという印象です。スタッフとの紛争を未然ないし最低限に収めるためには、やはり重要なのは労働条件通知書(雇用契約書)、就業規則、タイムカード、36協定等の客観的な資料になります。
当事務所は、就業規則の作成や新しいスタッフを採用する際の労働条件通知書(雇用契約書)の作成などもサポートしております。
また、不幸にもスタッフとの紛争を未然に防ぐことができず、裁判所の労働審判や労働訴訟に至ってしまった場合でも、医療機関の代理人として積極的な弁護活動を行います。
3 コンプライアンス
医療機関は、法律、規制、厚生労働省のガイドライン、医療倫理規定などに従うことが求められます。医療法人を設立運営する際は、適切な許認可等を取得する必要があります。
また、平成29年の医療法改正で、医療に関する広告規制の強化が規定されました。
医師の皆様は日々の業務が忙しく、なかなか法令の部分にまで注意が行き届かないことがあろうかと思いますが、昨今の時勢からするとコンプライアンスは極めて重要な課題です。
4 経営権に関するトラブル
多くの医療法人は家族経営であり、経営に関する家族間での意見対立、後継者の選定に関する不一致などが発生することがあります。
また、医療法人においては、社員で構成される社員総会(最高の意思決定機関)の頭数過半数で、経営に関することを決定していくことになりますので、社員の顔ぶれは非常に重要です。家族間の意見対立を契機にして、1円たりとも出資していない者が社員の一人として医療法人に入り込み、医療法人を意のままにコントロールしてしまうこともあります。
医療法人を設立する際には、社員(原則3人以上)、3名以上の理事、1名以上の監事を置く必要がありますが、安易に決めるのではなく、将来的な紛争の可能性も考えて決定することが重要です。
3.よくあるトラブル・相談例
1 患者からの不当かつ過大な要求(カスタマーハラスメント)
患者から不当かつ過大な要求をされているのですが、どのように対応したら良いですかという内容のご相談をよく頂きます。
特によくあるのは、①理事長を出せ、②全額返金しろ、③スタッフへのセクハラなどについての対応です。
①と③はそもそも論外ですが、②についてもクリニック側に小さなミスが認められる場合であっても、全額の返金は過大な要求であり、そのような患者に対しては毅然とした態度で対応することが大切になります。
2 スタッフからの残業代請求
労働時間の管理が十分にできていない医療機関が多いことから、退職するスタッフから時間外労働に関する未払賃金を請求されるケースが散見されます。
残業代は遡って3年間分請求できますので、総額では大きな金額になることが多く、思わぬ出費になってしまうことがあります。
また、残業代の計算は基礎賃金×時間外労働時間数×1.25という計算式で行うことになるのですが、良かれと思って支給していた各種手当が基礎賃金の額を引き上げてしまい、残業代の総額が大きくなってしまっているケースが見受けられます。当職の支援させて頂いた医療機関のなかにも、趣旨の不明瞭な手当を良かれと思って支給していて、その後の残業代請求で苦労されている場合もありますので、各種手当の支給にも注意が必要です。
3 解雇無効
問題行為を繰り返すスタッフや協調性のないスタッフを解雇したり、退職勧奨を行って退職に誘導することがありますが、その後、当該スタッフから解雇は無効であるとの主張がなされ、労働審判が申し立てられたり、社外労組が介入してくるケースがあります。
一般的に、スタッフを退職させるという行為は法的リスクの非常に大きいものになりますので、問題スタッフへの対応で苦慮されている場合はまずは当事務所の弁護士にご相談頂きたいと思います。
4 理事長等の離婚に伴う財産分与
医療法人においては、設立時に配偶者を社員や理事の一人として加入させることが多いことから、理事長夫婦が離婚をする場合は、その財産分与で揉めるケースがあり、比較的よくご相談を頂きます。
4.当事務所の対応可能業務
当事務所は、医療機関向けの顧問契約について以下のサービスを提供させて頂いております。
1 法律相談
ご相談の方法は、来所、電話、リモート、チャットなどに対応しております。
2 契約書のチェック、作成
クリニックの賃貸借契約書など一般的な契約書の内容をリーガルチェックいたします。
※ 料金プランによってサービス内容が異なります。
3 労働条件通知書、就業規則のチェック、作成
※ 料金プランによってサービス内容が異なります。
4 内容証明郵便の作成
※ 料金プランによってサービス内容が異なります。
5 理事長やその他関係者の私的な法律相談
6 問題社員への対応サポート
7 患者からのクレーム対応サポート
8 労働審判や労働訴訟、社外労組への対応
※ 別途費用がかかります。
|
Basic |
Standard |
Advanced |
月額顧問料 |
5万5000円 |
11万円 |
16万5000円 |
来所相談 (リモート含む) |
月2回 |
月5回 |
無制限 |
電話、メール相談 |
月4回 |
月10回 |
無制限 |
夜間休日対応 |
× |
◯ |
◯ |
契約書のチェック |
月1通 ◇1通5頁以内 ◇高難度非定型は対象外 |
月2通 ◇1通5頁以内 ◇高難度非定型は対象外 |
月4通 ◇1通5頁以内 ◇高難度非定型は対象外 |
契約書の作成 |
×
|
月1通 ◇1通5頁以内 ◇高難度非定型は対象外 |
月2通 ◇1通5頁以内 ◇高難度非定型は対象外 |
労働条件通知書等の作成 |
月1通 |
月2通 |
月4通 |
就業規則のチェック |
× ◇別途費用 |
◯ |
◯ |
就業規則の作成や修正 |
× ◇別途費用 |
× ◇別途費用 |
◯ |
内容証明郵便の発送 |
月1通 |
月2通 |
月3通 |
私的な法律相談 |
◯ |
◯ |
◯ |
問題社員への対応サポート |
◯ |
◯ |
◯ |
クレーム対応サポート |
◯ |
◯ |
◯ |
5.弁護士に依頼するメリット
1 理事長の負担が軽減され、医療に専念できます。
患者やスタッフとのトラブル・紛争対応は、理事長にとっては、精神的・物理的な負担が大きく、また、文章や書面の作成が不慣れな場合、過大な労力や時間がかかってしまうことがあります。
弁護士に依頼すれば、理事長の負担が大きく軽減され、本質的な業務に専念することで、生産性を向上させることができます。
2 紛争や訴訟等のリスクを軽減し、損失を最小限とすることが可能になります。
紛争・訴訟が未然に発生しないように取り組み、また、万が一、紛争・訴訟が発生した場合でも、医療機関の皆様のリスクが最小限となるように解決を目指すため、紛争・訴訟リスクが軽減します。また、結果として、医療機関にとって無駄なコスト・費用を削減できます。
3 コンプライアンスを強化できます。
日々の業務で忙しいなかで、医療機関を取り巻く法令を特に調査することなく、安易にクリニックで新しい診療を開始したり、HP上でマーケティング等を行うと、思わぬところで足元をすくわれる可能性があります。
新しい行動を起こす際に、弁護士に相談することによって、そのリスクを回避することができます。
6.病院・医療業でトラブルを抱えている経営者様はJPS総合法律事務所まで
当事務所の弁護士は、医療機関側のご相談や弁護を数多く担当してきました。医療業界の特有の問題についてもお気軽にご相談ください。医師の皆様のお困りごとを全力でサポートさせて頂きます。
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